【今日はなんの日?】2月23日:天皇誕生日
天皇誕生日(てんのうたんじょうび)は、日本の国民の祝日の一つです。天皇誕生日は天皇陛下が代替わりされる度に変更され、現在の天皇誕生日は2月23日です。外交上では国家の日(ナショナル・デー:その国家にとって最も記念すべき日)として扱われています。 天皇誕生日は、国民の祝日に関する法律によれば、「天皇の誕生日を祝う」ことを趣旨としています。何気なく過ごしがちな祝日にも歴史があり、特に天皇誕生日は日本国にとって重要な日です。天皇誕生日の起源について調べてみました。
*天長節(てんちょうせつ)から天皇誕生日(てんのうたんじょうび)へ
昭和23年(1948年)までは、天長節(てんちょうせつ)と呼ばれる祝日でした。天長節(てんちょうせつ)は、四大節(しだいせつ)と呼ばれる戦前期の祝日のひとつ。四大節は、「四方節(しほうせつ):現在の元日」「紀元節(きげんせつ):現在の建国記念の日」「天長節(てんちょうせつ):現在の昭和の日(昭和天皇誕生日)」「明治節(めいじせつ):現在の文化の日」の4つ。1948年7月20日の「国民の祝日に関する法律」公布・施行により、天長節を含む四大節は廃止されました。
天長節の名は古く、唐は皇帝・玄宗の誕生日を天長節と祝った事に由来します。中国暦開元17年(天平元729年)に「千秋節」と改められましたが、19年後の天宝7年(天平勝宝元年748年)に「天長節」と改められました。「天長」は老子の「天長地久」より採られているそうです。
日本では光仁天皇(第49代天皇)の時代の宝亀6年(775年)10月13日に天長節の儀が執り行なわれました。明治元年(1868年)には、9月22日が天長節として国家の祝日となり、明治6年(1873年)の太陽暦採用後は11月3日へ変更されました。明治天皇崩御(ほうぎょ)・大正天皇践祚(せんそ)となった明治45年・大正元年(1912年)からは、11月3日(明治天皇誕生日)の天長節が8月31日(大正天皇誕生日)へ変更されましたが、大正天皇の誕生日は盛暑期であることから10月31日を天長節祝日として制定されました。第二次世界大戦後の昭和23年(1948年)は祝日法が制定され、昭和24年(1949年)以降は天皇誕生日(てんのうたんじょうび)として国民の祝日と定められました。呼び名は変わっても、その日は、現在も皇居内の宮中三殿で天皇陛下によって「天長祭の儀」が執り行われ、また全国の神社では、陛下の長寿と皇室の弥栄、国民の安寧が祈られています。
■明治天皇(第122代天皇)の誕生日:11月3日(天長節)
明治天皇の誕生日である11月3日は崩御後に平日なりましたが、崩御から15年後の昭和2年(1927年)に明治節として休日とされました。昭和21年(1946年)11月3日に日本国憲法が公布されて、国民の祝日「文化の日」となりました。
■大正天皇(第123代天皇)の誕生日:8月31日(天長節)
大正天皇の誕生日は盛暑期で各種式典の斎行が困難であることを理由に、2か月後の10月31日を「天長節祝日」として祝日が設けられました。崩御後は、明治天皇や昭和天皇のように再び祝日にはなっていません。理由としては、大正天皇の在位が短かったことが挙げられます。
■昭和天皇(第124代天皇)の誕生日:4月29日(昭和23年まで天長節、以降、天皇誕生日)
昭和天皇の誕生日である4月29日は、昭和64年(1989年)1月7日の崩御直後に祝日法改正で「みどりの日」として国民の祝日となりました。平成19年(2007年)からは「昭和の日」と定められ、同時に「みどりの日」は5月4日に変更されました。
■明仁(あきひと)上皇(第125代天皇)の誕生日:12月23日(天皇誕生日)
1989年(昭和64年)1月7日に実父である昭和天皇の崩御に伴い皇位継承し、第125代天皇に即位してから、高齢となっても年間約1000件の書類に目を通して署名・捺印し、各種行事に約200回出席し、20件近くの宮中祭祀や祭儀を執り行うなど精力的に活動していましたが、生前退位のご意向を示され、第125代天皇明仁陛下の退位を可能とする特例法が施行されました。2019年(平成31年)4月30日で退位、5月1日に皇太子徳仁(なるひと)親王が第126代天皇に即位し、第125代天皇明仁陛下は上皇陛下となられました。平成時代に国民の祝日となっていた上皇陛下の誕生日の12月23日は、退位後に平日となりました。これは上皇陛下の誕生日を祝日とすることにより、在位中の徳仁天皇との間で「二重権威」を生じさせると懸念されたからです。

*上皇陛下を「平成天皇」と呼んではいけない理由
「明治天皇」「大正天皇」「昭和天皇」と呼びますが、「平成天皇」「令和天皇」とは呼ばないのはなぜでしょうか。それは、「呼ばない」のではなく「呼んではいけない」のです。なぜなら「(元号)天皇」という呼び方は「諡(おくりな)」だからです。諡とは「諡号(しごう)」とも呼ばれ、人が亡くなった後に、生前の徳を称えて贈る称号のこと。つまり「(元号)天皇」は、天皇陛下が崩御されるまで使ってはいけません。
「(元号)天皇」という諡で呼ばれるようになったのは、「一世一元の制(いっせいいちげんのせい)」とされた明治以降になってからのこと。「一世一元の制」とは、君主(皇帝、天皇、国王)1人につき年号(元号)を一つ制定する制度のことです。「明治天皇」「大正天皇」「昭和天皇」は、崩御されたため天皇の諡として呼ばれています。 第125代天皇である明仁陛下は、生前退位されたため「上皇陛下」または「明仁上皇」などと呼ぶことがふさわしいでしょう。第126代天皇徳仁陛下は「天皇陛下」「今上天皇」「徳仁天皇」などと呼ばれます。「今上天皇(きんじょうてんのう)」とは、在位中の日本の天皇を示します。「今」の「上(上様)」の意をもって呼ばれる「今上(きんじょう)」はそれだけでその時代における皇帝や天皇を指す語として成立していますが、「天皇」と繋げれば日本独自の名称となります。
*天皇誕生日の行事
■宮中では、祝賀の儀、宴会の儀、茶会の儀、一般参賀が行われます。
・祝賀の儀
天皇陛下が、皇嗣殿下はじめ皇族方、内閣総理大臣、衆・参両院の議長、最高裁判所長官から祝賀をお受けになる儀式です。
・宴会の儀
天皇陛下が皇后陛下とご一緒に、衆・参両院の議長・副議長・議員、内閣総理大臣・国務大臣、最高裁判所長官・判事、その他の認証官、各省庁の事務次官など立法・行政・司法各機関の要人、都道府県の知事、各界代表者とそれぞれの配偶者を招いて宴会を催され、祝賀をお受けになる行事で、皇嗣殿下をはじめ皇族方も列席されます。
・茶会の儀
天皇陛下が皇后陛下とご一緒に、各国の外交使節団の長とその配偶者を招いて茶会を催され、祝賀をお受けになる行事で、皇嗣殿下をはじめ皇族方も列席されます。
・一般参賀
天皇陛下が、国民から祝賀をお受けになる行事です。午前は、天皇皇后両陛下が皇族方とご一緒に、随時宮殿のベランダにお出ましになり、直接国民の祝賀をお受けになっています。その際、天皇陛下のお言葉があります。参賀者は皇居正門から入門して宮殿東庭で祝賀の上、退出します。午後は、宮殿において祝賀行事が行われるため、天皇皇后両陛下と皇族方のお出ましはなく、参賀者は坂下門から入門して、宮内庁庁舎前で記帳するか、名刺を提出の上、退出します。
皇居での天皇誕生日一般参賀は、昭和23年4月29日から始まりました。当時の参賀は、午前8時から午後4時までの間、参賀者が正門から入門し、正門内鉄橋付近に設けられた記帳所で記帳の上、坂下門から退出していました。当時は、現在のような天皇皇后両陛下・皇族方のお出ましはありませんでしたが、昭和天皇は、この参賀の様子を庁舎の屋上からご覧になっていました。昭和25年4月29日、庁舎中央玄関上のバルコニーにおいて、昭和天皇・香淳皇后が参賀者の前に初めてお出ましになりました。その後、宮殿造営のため一時中断されましたが、昭和44年4月29日から現在の宮殿で行われるようになりました。
■伊勢神宮を始め、各地の神道神社では天長祭が行われます。
天皇陛下のお誕生日をお祝いして、ご長寿並びに国民の平安をお祈りするお祭りです。陛下の長寿、国民の平安を祈願する天長祭は、伊勢神宮では7時から外宮(げくう)で、10時から内宮(ないくう)でそれぞれ行われ、その後14の別宮でも同様に行われ、伊勢神宮125社の摂社末社所管社においては内宮の五丈殿(ごじょうでん)で離れた場所からお祭りを行うことを指す「遥祀(ようし)」で行われます。多くの参拝者が見守る中、内宮参道を、大宮司を先頭に神職の列が玉砂利を鳴らしながら忌火屋殿(いみびやでん)前の祓所(はらえど)に整列し、おはらいを行い、その後、正宮(しょうぐう)階段下の御贄調舎(みにえちょうしゃ)で神饌(しんせん)のアワビを調理し、正宮に入ります。
■海上自衛隊では、満艦飾が行われます。
海上自衛隊の満艦飾は、停泊中の自衛艦・支援船において祝日(建国記念の日、天皇誕生日、憲法記念日、海の日、文化の日)、自衛隊記念日および観艦式実施日の朝8時から日没まで行われます。 祝意を表すために、艦首からマストを通して艦尾までの旗線に信号旗などの旗を連ねて掲揚して飾ります。歴史上は万国旗を用いる場合もありましたが、国旗同士の順序・位置が国家間の上下関係を示すと解釈されるおそれがあるため、信号旗が使われるようになりました。

今回は天皇誕生日について祝日になる経緯や、歴代天皇陛下の誕生日をまとめてみました。天皇が生まれたことを祝う祝日である天皇誕生日は、時代とともに変わる祝日。現代では昔から受け継がれてきている行事に対して気薄になってきていますが、天皇誕生日には国の歴史や歴代の天皇について思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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