【こんなときどうする?】お年賀:遅れたとき・喪中のとき
お年賀は、旧年中にお世話になった方への感謝と「今年もよろしくお願いします」という気持ちを込めて贈るものです。元旦は避けて「松の内」と呼ばれる1月7日まで(関西などは1月15日まで)にお年賀を贈るとされています。しかし、年末年始の慌ただしさの中、つい手配が遅れてしまい松の内を過ぎてしまうこともあるかもしれません。そんなときはどうすればいいのでしょうか。また、喪中の方へお年賀は贈ってもいいのでしょうか。自分が喪中の場合は?などイレギュラーな場合の対処法をまとめてみました。
*お年賀を贈る時期が遅れてしまったら
「松の内」と呼ばれる1月7日まで(関西などは1月15日まで)に贈るべきとされるお年賀ですが、松の内を過ぎてしまった場合は、「寒中御見舞」として贈る方法があります。寒中(かんちゅう)とは、寒の内(かんのうち)とも呼ばれ、暦の上で寒さが最も厳しいとされる期間のことで、二十四節気(にじゅうしせっき)における小寒(しょうかん)から立春(りっしゅん)の前日(節分)までの約30日間をいい、小寒(しょうかん)を「寒の入り」といいます。松の内が明ける1月8日(関西などは1月16日)から節分の日(2月3日ごろ)までのタイミングであれば「寒中御見舞」として贈り物を渡しましょう。のしの表書きは、目上の方に対しては「寒中御伺」とするのが一般的です。
※二十四節気(にじゅうしせっき):季節を春夏秋冬に区分する暦のようなものとして考案された区分手法のひとつで、1年を24等分し、その分割点を含む日に季節を表す名称を付したもの。
*立春までに遅れなかったら
「寒中御見舞」のギフトを贈る手配が間に合わず、どうしても立春を過ぎてしまう場合には、「余寒御見舞(よかんおみまい)」の名目に変えて贈る方法もあります。余寒(よかん)とは、寒(かん)が明けてもまだ寒さが続くことで、立春(りっしゅん)を「寒明け」といいます。「余寒御見舞」は立春が過ぎてから相手を気遣って贈る挨拶状(ハガキ)を贈るのが一般的ですが、お年賀の代わりとしてギフトを贈るケースもあるようです。「余寒御見舞」をいつまでに贈るのかは厳密には決まっていませんが、2月末ごろが目安とされています。
*喪中の方へお年賀を贈りたいときは
新しい年を迎えたことを「慶春」というように「新年を慶ぶ」という意味がありお祝い事としてとらえられるため、喪中の方へ贈るのは避けるのがマナーです。松の内を過ぎてから表書きを「寒中御見舞」または「御挨拶」として白無地のしで贈るようにします。ただし、松の内が過ぎていても相手先が忌中(きちゅう)である場合には、控えるようにしましょう。もし、喪中はがきなどで相手先が喪中であることが分かった場合には、ご不幸を知らなかったことへのお詫びを込めて「喪中お見舞い」を贈るといいでしょう。
※忌中(きちゅう):家にこもって故人のために祈り、穢れを祓う期間のこと。故人が亡くなってから四十九日の法要まで、神式では五十日祭までの期間のこと。
関連記事 → 【日本の風習】喪中お見舞いとは
*自分が喪中の場合にお年賀を贈りたいときは
自分が喪中の場合、お年賀を毎年恒例で贈っている方へ贈ってもいいのか気になる方もいるでしょう。喪中だから今年は贈らないという選択肢もありますが、相手先が仕事関係の方であれば、かえって気を遣わせるのではないか、と贈るのを悩むこともあります。そんなときも相手先が喪中である場合と同じく、松の内を過ぎてから表書きを「寒中御見舞」または「御挨拶」として白無地のしで贈るようにします。もちろん忌中である場合は控えましょう。

お年賀を贈る時期を過ぎてしまった場でも「寒中御見舞」として贈ることができますが、何よりも遅れてでも気持ちを伝えることが重要ではないでしょうか。また、喪中の方へ贈る際にも、喪中の方の気持ちを考慮して控えめな品物を選ぶようにすれば、相手先の気持ちを尊重することができます。どちらの場合も気遣いを忘れないことが大切なのではないでしょうか。心を込めて贈ることできっとお相手にも気持ちは伝わると思います。
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