【暦のおはなし】5月5日:立夏(りっか)
1年を24等分した暦である二十四節気では、4月19日の穀雨(こくう)の次は7番目の「立夏(りっか)」。5月5日〜5月19日頃を差します。「立」は新しい季節の始まりを表し、春が極まり夏の気配が立ち始める日とされ、『こよみ便覧』には「夏の立つがゆへ也」と説明されています。太陽の黄経 (こうけい) が45度で春分と夏至の中間となり、昼夜の長短を基準に季節を区分する場合、立夏から夏となります。
※こよみ便欄:江戸時代に江戸で出版された太玄斎(たいげんさい)の著による暦の解説書
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*夏の兆し、立夏
二十四節気よりさらに細かく区切った七十二候では、立夏も3つの季節に分けられます。
■初候/蛙始鳴(かわずはじめてなく):5月5日~5月9日頃
野原や田んぼで蛙(かえる)が鳴き始めるころ。水田が多い地方などでは、夜にたくさんのカエルが一斉に鳴き出し、「カエルの大合唱」として夏から秋の風物詩となっています。古くから冬眠から覚めて活発に行動する春から夏にかけての景物とされ、カエルの鳴き声の美しさは、多くの俳句や歌に詠まれています。松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」、小林一茶の「やせ蛙まけるな一茶これにあり」の句は特に有名ですね。「かわず」「かわづ」は古称で、和歌においては主に鳴き声が美しい「カジカガエル」のことを指します。平安初期ごろからは、混同されて蛙一般のことを「かわず」と呼ぶようになりました。初蛙のイメージ「蛙」は春の季語ですが、「雨蛙(あまがえる)」「蟾蜍(ひきがえる)」は夏の季語です。
■次候/蚯蚓出(みみずいずる):5月10日~5月14日頃
冬眠していた蚯蚓(みみず)が地上に現れ始めるころ。ミミズは目がなく、手足もない紐状の生き物で、土壌の中に棲んでいます。「目見えず」から「メメズ」になり、転じて「ミミズ」になったといわれています。ミミズは土壌と有機物を食べながら、かき混ぜていることが知られています。そのことからミミズは「自然の鍬(くわ)」と呼ばれています。農業では一般に益虫として扱われ、土壌改良のために利用されています。
■末候/竹笋生(たけのこしょうず):5月15日~5月20日頃
竹笋(たけのこ)が地面から顔を出すころ。少し遅いようにも思いますが、日本原産の真竹は5~6月に旬を迎えます。筍(たけのこ)の生長は早く、地表に顔を出すころは1日当たり数センチメートル程度だったものが、10日目ごろには数十センチメートルから、時には1メートルを超えます。「筍」の漢字の由来は、「旬(じゅん):時間の単位のひとつで10日間のこと」から来ているといわれます。タケノコは掘り上げてからの鮮度落ちが極端に早く、時間が経つとかたくなると同時に灰汁(あく)が増えてえぐみが増すため、掘って収穫したその日のうちに調理するか灰汁抜きして下ごしらえしてから保存します。
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*立夏の旬のもの
■果物:メロン
メロンはハウス栽培なども行われているため、実際には年中栽培されており、年中出回っていますが、メロンの旬は春〜夏、4月頃から九州産からスタートし、5月頃から関東産、7月頃から東北北海道と、南から北へ産地リレーしていきます。購入する際には、均等の取れた丸い形で重量感があるものを選ぶようにしましょう。網目のあるネットメロンの場合は、網目が細かく盛り上がっているものが美味しいといわれています。完熟前のかたいメロンは常温で追熟させ、甘い香りがしてお尻に少し弾力があれば食べごろです。ツルがついている場合は、ツルがしなびたら完熟の状態です。完熟手前で冷蔵すると日持ちアップしますが、熟したものは冷蔵庫の野菜室へ入れましょう。メロンに含まれるカリウムの量は果物の中でも特に多く、高血圧や動脈硬化などの予防効果が期待できます。カリウムには水分バランスの調節をする働きもあり、利尿作用やむくみ解消にも効果的です。
■野菜:そら豆
そら豆の出荷は、4~5月ごろが最盛期で、地方によっては「四月豆」や「五月豆」「雪割豆」などの呼び名もあるそうです。また、さやの内側が蚕(かいこ)のまゆに似ていることから漢字で「蚕豆」と書くことがあります。さやが空を仰ぐように上に伸びることから、ソラマメの名が付いたといわれています。大きめのさやの中には豆が2~4個入っていて、未熟なうちに青果店に並びます。さやがきれいな緑色で均一にふくらみ、綿のような弾力のあるものを選ぶようにしましょう。新鮮なものはうっすらと産毛(うぶげ)がついています。さやから豆を取り出すと風味が落ちていくので、購入するときはさや付きがおすすめです。豆の爪の黒い部分は「お歯黒」と呼ばれ、旬の出始めは色が薄めで時期が終わりに近づくと黒いものが多くなります。そら豆は整腸作用のある不溶性食物繊維が豊富で、高血圧予防によいとされるカリウムや、貧血予防に効果があるといわれる葉酸、鉄なども含まれています。また、そらまめに含まれる「レシチン」という成分は、血液中のコレステロールを減らしたり、脳の活性化に働きかける性質があるといわれています。
■魚介:真鯵(まあじ)
真鯵は、鯵の中でも最もメジャーで、日本で古くから食べられています。一般的に「アジ」と書いてあれば真鯵を指します。1年を通して獲れる身近な魚ですが、最も美味しく食べられる旬の時期は5~7月の晩春から初夏にかけてです。旬のアジの刺身は「鯛(たい)以上」といわれます。この旬の時期に獲れるアジは小型~中型くらいの大きさであり、それほど身丈は大きくありませんが脂のノリが非常に良く、うま味がたっぷりつまっているのが特徴です。全体に黄色っぽい色をしており、目が澄んでいて、エラが鮮やかな紅色のものを選ぶといいでしょう。細かく叩いてタタキにしたり、味噌などと和えてナメロウにするとご飯にも良く合います。小さなものは、そのまま唐揚げにしたり、南蛮漬けにすれば丸ごと食べることが出来ますし、大きさを問わず、塩焼きやフライはとても美味しいです。マアジはイソロイシン、ロイシン、リジンなどの必須アミノ酸を豊富に含み、アミノ酸スコアが100である良質のたんぱく質を含んでいます。またアルギニンやアラニンといった甘味として感じるアミノ酸や、うま味成分であるグルタミン酸も多く含んでいます。腎の機能を高めて、認知症の予防や白内障の予防、アンチエイジングの効果が期待できるといわれます。胃を温める食材と考えられており、消化を活発化し食欲不振や免疫力のアップ、高血圧や動脈硬化の予防にも効果的とされています。
*立夏の時季の大和言葉
うまたゆの由来となった大和言葉には、季節を表す美しいことばが多くありますので、少しご紹介します。
■薄暑(はくしょ)
初夏の頃の、少し感じる程度の暑さ。
■青嵐(あおあらし、おおあらし、せいらん)
初夏の青葉が茂るころに吹くやや強い南寄りの風のこと。力強く爽やかに青葉を吹き抜ける風のイメージ。
青々とした山気(さんき)という意味もある。山気とは、山中に特有の爽やかな感じのこと。
■あいの風
北陸の日本海に面した地域で、春から夏にかけて吹く北東のさわやかな風。
■夏浅し(なつあさし)
立夏(5月上旬)から日が浅いころ。
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立夏は陽気も増し、夏の気配を感じる時期。薫風に新緑きらめく、一年で最もさわやかな季節です。ただ夏の始まりといっても、本格的な夏はまだまだ先になります。日差しが強くなり気温が高くなる日もありますが、基本的には暑くもなく寒くもなく、湿度が低いため、とても過ごしやすく、レジャーやお出掛けに最適の季節です。梅雨に入る前で気候が安定しているため、ハイキングがおすすめ。新緑が美しく、さわやかな風が吹く頃なので、森林浴で心身ともにリフレッシュできます。紫外線が強い時期なので、紫外線対策も忘れずに!
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