【暦のおはなし】4月4日:清明(せいめい)

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暦のおはなし

【暦のおはなし】4月4日:清明(せいめい)

1年を24等分した暦である二十四節気では、3月20日の春分(しゅんぶん)の次は5番目の「清明(せいめい)」。4月4日〜4月18日頃を差します。清明とは、清浄明潔(しょうじょうめいけつ)を略したもので、桜や草木の花が咲き・春先の生き生きとした気があふれてくるころとされています。『こよみ便覧』には「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」と説明されています。春の日差しが万物を照らし、芽吹いた植物の葉が開き、何の植物かがわかるようになる季節という意味です。
こよみ便欄:江戸時代に江戸で出版された太玄斎(たいげんさい)の著による暦の解説書

*柔らかい日差しが咲き始めの花々を明るく照らす清明

二十四節気よりさらに細かく区切った七十二候では、清明も3つの季節に分けられます。

■初候/玄鳥至(つばめ きたる):4月4日~4月8日頃
「玄鳥 (げんちょう)」とは燕(つばめ)の異名で、黒い鳥という意味です。冬を暖かい東南アジアで過ごしたツバメたちは、繁殖の為、春になるとはるばる海を渡って日本にやってきます。「越冬ツバメ」と呼ばれる日本国内で越冬するツバメもまれにいます。ツバメが飛来してきたら、本格的な農耕シーズンの始まりです。日本では、穀物を食べず害虫を食べてくれる益鳥(えいきちょう)として古くから農村部を中心に大切に扱われてきました。「人が住む環境に巣を作る」という習性から、ヒナを守るために人の出入りが多い家の軒先に巣を作るので「商売繁盛」の象徴とされています。ツバメの巣のある家は安全であるという言い伝えもあり、巣立った後の巣を大切に残しておくことも多く、ツバメの巣は人間にとって「幸運の象徴」とされています。二十四節気の15番目「白露(はくろ)」の七十二候「玄鳥去 (つばめさる)」と対になっています。

■次候/鴻雁北(こうがん かえる):4月9日~4月13日頃
雁(がん)が北へ渡っていくころ。雁は白鳥と同様、冬は日本で過ごし、暖かい春になると北国に帰っていく渡り鳥です。首領を先頭として列を作って飛ぶ習性があり、この列を雁行(がんこう)と呼びます。源義家はガンの列が林の上で乱れたために敵が待ち伏せしてることを見破ったと伝えられています。二十四節気の17番目「寒露(かんろ)」の七十二候「鴻雁来(こうがんきたる)」と対になっています。

■末候/虹始見(にじ はじめて あらわる):4月13日~4月18日頃
春が深くなるとともに、だんだんと空気が潤ってくるので、この時期から雨上がりに冬には見かけなかった虹を見ることが多くなります。単に「虹」といえば夏の季語ですが、「初虹(はつにじ)」は晩春の季語でその年初めて立つ虹を指し、いよいよ春が終わりに近づき、夏に向かうサインでもあります。二十四節気の20番目「小雪(しょうせつ)の七十二候「虹蔵不見(にじ かくれて みえず)」と対になっています。

*清明の行事

■清明節(せいめいせつ)

元来は中国の先祖祭。祖先の墓に参り、草むしりをして墓を掃除する日であり、「掃墓節(そうぼせつ)」とも呼ばれます。この清明節は、沖縄に 18世紀中期に伝わったといわれ、沖縄の重要な節日の一つとなっています。当日は中国の風習と同様に父系先祖の墓参りに出かけ、墓の掃除を行います。墓前に茶菓子などを供えて半日をピクニックのような雰囲気で親類が揃って墓前で祖先と共に食事(餅や豚肉料理、お菓子、果物など)を楽しむ風習があります。

■灌仏会(かんぶつえ)

釈迦の誕生を祝う仏教行事です。日本では原則として毎年4月8日に行われ、たくさんの花を飾った花御堂(はなみどう)を作ってお祝いすることから花祭・花祭り・花まつり(はなまつり)とも呼ばれています。その他、降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、龍華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)の別名もあります。釈迦生誕時に産湯を使わせるために9つの竜が天から清浄の水を注いだとの伝説に由来し、様々な草花で飾った花御堂(はなみどう)の中で、甘茶を満たした灌仏桶の中央へ安置した誕生仏像に柄杓で甘茶を掛けてお祝いします。

*清明の旬のもの

■果物:セミノールミカン
薄くてなめらかな赤褐色の果皮が特徴のセミノールは、「ダンカングレープフルーツ」と「ダンシータンジェリン」を掛け合わせてアメリカで誕生した品種です。日本には1955年(昭和30年)に導入されました。甘味と酸味のバランスがよく、果汁も豊富。種が多めですが温州みかんのように袋ごと食べられます。セミノールの旬は3月頃から5月頃まで。4月頃が出荷の最盛期です。地域によっては「サンクイーン」と呼ばれることもあります。

■野菜:三つ葉(みつば)
日本に自生していた野菜で、古くから春を告げる野菜として愛されてきました。水耕栽培ものは1年中出回っていますが、露地栽培ものは若くて柔らかい葉茎をのばす3月から初夏が本来の旬です。出回っているミツバの形態は3種類。糸ミツバは、青ミツバとも呼ばれ、根元まで緑色。1年中、水耕栽培されています。根ミツバは茎の下部が白く、風味が強め。根も食べることができます。切りミツバは、光を当てずに軟化栽培したミツバの根元を切ったもので、関東では雑煮などによく使われます。長いまま茹でたミツバは飾り結びにしたり、茶きん寿司の口を閉めるひもにするなど、アレンジを楽しむこともできます。β-カロテンが豊富で、活性酸素を取り除き、動脈硬化の予防など、病気の誘因を軽減すると言われています。さわやかな香り成分には、食欲を高め、胃もたれを防ぐ作用や、神経の興奮を鎮め、ストレスを解消する働きがあるようです。

■魚介:玉筋魚(いかなご)
いかなごの名前の由来には諸説ありますが、いかなごが何の稚魚なのか分からなかったため「如何なる(魚の)子か」と答えたことに由来するといわれています。いかなごの漢字表記は「玉筋魚」。稚魚が細長い群れをなして泳ぐ様子が、まるで玉のように見えることから、この漢字があてられたとされています。いかなごは春に旬を迎えます。秋の終わりから冬にかけて生まれたいかなごの稚魚は「新子(しんこ)」と呼ばれ、2月末から5月にかけて体長3cmほどに成長します。鮮度の良い新子を使った「くぎ煮」は、瀬戸内海沿岸地域で春の味覚として親しまれている伝統料理です。

*清明の時季の大和言葉

うまたゆの由来となった大和言葉には、季節を表す美しいことばが多くありますので、少しご紹介します。

春霖(しゅんりん)
仲春から晩春にかけての雨の降りやすい天気。

花の雨(はなのあめ)
桜が咲く時期に降る雨。桜に降り注ぐ雨という意味もある。

花筏(はないかだ)
川べりの桜が散って、花びらが重なって水面を流れていくさま。

花嵐(はらあらし)
桜が咲くころに吹く強い風。桜の花びらが強風で舞い散るさま。

風光る(かぜひかる)」という言葉をご存知でしょうか。「春の日光のうらうらと照る中をそよ風が吹き渡るさま」を表した春の季語ですが、暖かくなり日差しが強くなる季節に、春風がきらきらと光り輝くように感じられることをいいます。陽光の踊るような明るさに、風にゆらぐ景色もまばゆい。そんな春の到来の喜びや希望を、吹く風に託した美しい言葉ですね。近頃では、温暖化の影響で春や秋が極端に短くなり、心地よい時季を楽しむ期間が短くなってきました。貴重なこの季節、外に出かけて存分に春を満喫しましょう。

次の二十四節気は「穀雨(こくう)」です。 ≫>≫

≪<≪ 前の二十四節気は「春分(しゅんぶん)」です。

 

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